有価証券報告書 総会前開示について

2025年3月28日、金融庁から突然以下の通達が出されました。

株主総会前の適切な情報提供について

内容を要約すると、有価証券報告書の提出を株主総会の3週間前あたりを目標に提出してください、と記載されています。
(なんで多くの会社が期末決算をむかえる直前であろうタイミングで出したん!?)

多くの事業会社では総会前開示を実施できておらず、2024年3月期では80%以上の会社が総会と同時か総会の1日後に開示しているようです。

※上記金融庁HPより抜粋

この表を見る限り、大半の会社が総会ぎりぎりまで頑張って有価証券報告書の作成をしているようですね。

どうやら金融庁の役人さんたちは、事業会社の経理は総会の数週間前に有価証券報告書を作り終えていて、その有価証券報告書を総会まで寝かしているんだろう、と勘違いされているようです笑

当然、この発表は各方面から批判を呼びました。

批判を受けて、とりあえずは総会の前日とか数日前を目標に開示をするよう努力してください、というマイルドな記載が追加されました。

ちなみに公認会計士協会も以下のような声明文を出しています。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/files/00-99-0-0-20250331.pdf

これによると、たしかに総会前開示は望ましいことだけれど、その前に計算書類や事業報告の提出を不要にして開示書類を一本化するなりして経理の負担を減らすのが先でしょう、との記載があります。
ごもっともですね。

とはいえ金融庁からこのような声明が発表された以上、少しずつ有価証券報告書の提出日を早める会社が増えていきそうです。

筆者が勤めている会社の株主からも、今期の有価証券報告書はいつ提出するんだ?という問い合わせを数件いただいています。

私の会社では、とりあえず総会の1日前に開示しようという話になりました。
1日前倒しにするだけでも、総会の想定問答に有価証券報告書の内容を盛り込む必要があるのでかなり大変なんですが、、、泣

ちなみに、2025年3月期に総会前開示をする会社は約55%に増加したそうです。
(プロネクサスや宝印刷の担当者いわく)

総会前開示に対応するためには、経理業務の一部を他部署に移管する、税効果注記等の時間がかかる箇所を外注する、といった工夫が必要そうですね。

金融庁の方々、せめて実務担当者とかを招いて意見を取り入れたうえで声明だしてよ、、、と思う今日この頃でした。

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